
価格弾力性:割引率設定の心理的ポイント
「どのくらい値下げすれば売上が増えるのか?」これはEC担当者にとって日々の悩みです。特に生活消費財(FMCG: 日常的に使う商品)は購入頻度が高く、代わりの商品も多いため、価格弾力性を理解することが大切です。
❚ 価格弾力性とは?
価格弾力性とは、価格が変わったときに需要(買う量)がどのくらい変わるかを示す指標です。計算式は以下の通りです。
価格弾力性 = (需要の変化率) ÷ (価格の変化率)
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弾力的(Elastic, |値| > 1):少しの値下げで大きく需要が増える
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非弾力的(Inelastic, |値| < 1):価格が変わっても需要があまり変わらない
生活消費財は多くの場合、代替品が多いため弾力的です。たとえば歯みがき粉や洗剤、お菓子などは、消費者がブランドを簡単に切り替えることができます。
❚ 割引率と心理的ポイント
価格を下げれば必ず売上が上がるわけではありません。消費者には「割引と感じるライン」があります。
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10% 割引 – 小さな注目
5〜10%の割引は「セール感」が弱く、既存の購入者には効きますが新規顧客の獲得には限界があります。 -
20% 割引 – 意識され始める
このあたりから消費者は「お得」と感じ始めます。価格弾力性が高い商品は20%前後の割引で需要が大きく増える可能性があります。 -
30% 割引 – 多くの人が強く反応
日本や韓国のECでは「しっかりセールしている」と感じるラインです。生活消費財はこの水準で最も高い購入率を期待できます。 -
50%以上 – 信頼と不安の境目
半額になると「品質が悪いのでは?」「期限が近いのでは?」と疑う人も増えます。大きな値下げが逆に逆効果になることがあります。
❚ 価格弾力性と売上最大化のバランス
売上は「価格 × 需要」で決まります。重要なのは「どの割引率でどのくらい需要が増えるか」を見ることです。
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弾力的な商品:20〜30%の割引が最も効果的
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非弾力的な商品:大きく値下げしても需要は増えにくいので10%以内が適切
実務では A/Bテスト や 販売データ分析 を通して商品ごとの弾力性を確認することが必要です。
❚ まとめ:生活消費財の割引戦略
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無計画な値下げではなく、価格弾力性を考えた戦略が必要
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20〜30%が多くの生活消費財にとって効果的な割引率
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50%以上の割引はブランド信頼を下げるリスクがある
つまり、割引率は単なる数字ではなく、消費者心理と価格弾力性が交わる重要な戦略ポイントです。