ネコポスとは、ヤマト運輸が提供する小型・薄型荷物専用の配送サービスで、A4サイズ・厚さ3cm以内・重量1kg以内の荷物をポスト投函で届けられる EC事業者向けの定番配送手段です。本ガイドではネコポスのサイズ・料金・配達日数の全仕様と、Amazon・楽天・Shopify を含むEC運営者が実務で押さえるべき使い方を、元・大手モール出身のコンサルタント集団であるボトルシップが体系的に解説します。
1. ネコポスとは何か — 一文での定義
ネコポスは、「A4サイズ・厚さ3cm・重量1kgまでの荷物を、ポスト投函・追跡番号付きで全国一律料金で届けるヤマト運輸の小口配送サービス」です。法人・個人事業主向けに提供されており、EC事業者にとってはアパレル小物・コスメ・サプリ・書籍・アクセサリーなど「薄くて軽い」商品の配送コストを劇的に下げる最も汎用性の高い手段の一つとなっています。
ネコポスを一文で定義する
ヤマト運輸が提供する、A4サイズ・厚さ3cm・重量1kgまでの荷物をポスト投函で届ける、追跡番号付き・全国一律料金の小口配送サービス。
2. ネコポスのサイズ規格 — 何が送れるのか
ネコポスで送れる荷物には「最大サイズ」「最小サイズ」「厚さ」「重量」の4つの規格があります。EC実務で頻発するトラブルの大半は、この4つの規格を曖昧に理解していることに起因します。まずは正確な数値を押さえましょう。
| 規格 | サイズ・上限 | EC実務での注意点 |
|---|---|---|
| 最大サイズ | 縦31.2cm × 横22.8cm | A4(29.7×21.0cm)が入る大きさだが、A4ピッタリでは縁が当たって弾かれる |
| 最小サイズ | 縦23cm × 横11.5cm | 長3封筒(12cm幅)はギリギリ。意外と見落とされる下限規格 |
| 厚さ | 2.5cm(基本)/ 3cm(上限) | 多くの営業所では2.5cmゲージで判定。3cmは契約による |
| 重量 | 1kg以内 | 梱包資材も含めた総重量。プチプチ二重巻きで超過する事例多数 |
厚さ規格は「2.5cm」と「3cm」の二段階
ネコポスの厚さ規格は、表向き「3cmまで」とされていますが、実運用では営業所が2.5cmのゲージで一次判定するケースが大半です。これはヤマト運輸の地域別契約条件や、ポスト投函口の物理的制約(最も狭いポストは2.5cm前後)に起因します。ボトルシップでは、ECサイトの仕様策定の段階で「梱包後の厚さは2.4cm以内を絶対上限」とすることをクライアントに推奨しています。
「縦・横」の判定基準
ネコポスのサイズは「縦の長辺」と「横の短辺」で判定されます。長辺31.2cm・短辺22.8cmが上限ですが、定型外的に「縦と横を逆にすれば収まる」ような形状は基本的に通りません。長辺・短辺の両方を同時に満たす必要があります。
3. ネコポスの料金 — 全国一律と契約料金の構造
ネコポスの最大の特徴は「全国一律料金」であることです。沖縄・離島も含めて同一料金で送れるため、地域差のあるEC物流コスト計算を大幅に単純化できます。
公式料金(定価)
385円(税込)
2026年5月時点の標準料金
EC法人契約料金
200円台〜
月間出荷量に応じた個別契約
EC2.0 経由
200円前後
月間10〜50件規模のスモールEC
契約料金は「月間出荷個数」で決まる
ヤマト運輸のEC向けネコポス契約料金は、月間の出荷個数に応じて段階的に変動します。一般的には「月100個未満」「月100〜500個」「月500〜2,000個」「月2,000個以上」の4段階で料金が交渉されます。月2,000個を超えると個別交渉で200円前後、月10,000個を超えるとさらに引き下げ余地が出ます。
ボトルシップの視点: 月間出荷個数が500個を超えるなら、ヤマト直契約ではなく一旦「EC2.0」「クロネコ掛け払い」経由の方が安い場合があります。月2,000個超でようやくヤマト直契約の方が有利になります。この境界を見誤って高い料金で契約しているEC事業者は驚くほど多いです。
4. ネコポスの配達日数 — 何日で届くのか
ネコポスは「翌日配達」を原則とした配送サービスです。ただしこれは「絶対保証」ではなく「目安」であり、距離・天候・繁忙期によって変動します。EC事業者が顧客に告知する際には、必ず「お届け目安」として伝えることが鉄則です。
| 差出地→お届け先 | 標準的な配達日数 | EC実務での目安表記 |
|---|---|---|
| 関東→関東・東海・関西 | 翌日 | 「1〜2営業日」 |
| 関東→北海道 | 翌々日 | 「2〜3営業日」 |
| 関東→九州・四国 | 翌日〜翌々日 | 「2〜3営業日」 |
| 関東→沖縄 | 翌々日〜3日 | 「3〜5営業日」 |
| 離島・山間部 | +1〜2日 | 「最大1週間」 |
5. ネコポスと類似サービスの比較
EC配送の意思決定では、ネコポスを単体で評価せず、競合サービスとの比較で「自社にとって最適か」を判断する必要があります。主要4サービスを並べて比較しましょう。
| サービス名 | 運営 | サイズ上限 | 厚さ | 重量 | 料金(目安) | 追跡 | 速達性 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ネコポス | ヤマト運輸 | 31.2×22.8cm | 3cm | 1kg | 200〜385円 | あり | 翌日 |
| クリックポスト | 日本郵便 | 34×25cm | 3cm | 1kg | 185円 | あり | 1〜3日 |
| ゆうパケット | 日本郵便 | 3辺合計60cm | 3cm | 1kg | 250〜360円 | あり | 1〜3日 |
| 定形外郵便 | 日本郵便 | 長辺60cm | 3cm | 1kg | 140〜580円 | なし | 2〜4日 |
ボトルシップが推奨する使い分け
- 翌日着が必須・追跡が必要:ネコポス
- コスト最優先・速達性は二の次:クリックポスト(クリックポスト完全ガイド)
- 3辺合計60cmを使い切りたい厚物:ゆうパケット
- 追跡不要・最安重視のメール便代替:定形外郵便
6. ネコポスで送れる商品・送れない商品
ネコポスは小型・薄型に特化したサービスのため、送れる商品には明確な制限があります。EC運営者として、サイト上の取扱商品の段階で「ネコポス可」「ネコポス不可」を仕分けることが、後工程の運営コスト削減に直結します。
送れる商品(典型例)
- アパレル(Tシャツ・靴下・ハンカチ)
- アクセサリー・ジュエリー(小型箱入り)
- コスメ・サプリ(小容量)
- 書籍・コミック(単行本)
- CD・DVD・Blu-ray
- マスキングテープ・文房具
- カード類(コレクションカード等)
送れない商品(規格外・規制)
- 厚さ3cm超(箱入りスニーカー等)
- 重量1kg超(書籍まとめ買い等)
- 現金・貴金属・有価証券
- クール便対象品(冷蔵・冷凍)
- 危険物・引火物(化粧品の一部含む)
- 生体・植物
- 壊れ物の指定が必要なもの
7. EC運営でネコポスを導入する手順
EC事業者がネコポスを実務で導入する際の標準的なフローを、ボトルシップが多数のクライアントで実施してきた手順に基づいて整理します。
8. ネコポス運用でEC事業者が陥りやすい7つの落とし穴
落とし穴1:厚さ規格を「3cm」と思い込む
実運用は2.5cmが事実上の上限。梱包設計の段階で2.4cm以内に収める。
落とし穴2:重量を「商品単体」で見ている
梱包資材込みで1kg。プチプチ二重巻きで100g超過する商品はネコポス対象外。
落とし穴3:同梱不可の商品を組み合わせる
「2点まとめ買い」で厚さ・重量を超える商品設計をしてしまう。SKU設計の段階で同梱パターンを設計しておく。
落とし穴4:返品時の配送方法を指定していない
ネコポスは着払い不可。返品時の負担を顧客に依頼するのか、自社負担なのかを規約で明示する。
落とし穴5:ポスト投函で「届いていない」クレーム
ポスト投函の特性上、誤投函・盗難リスクがゼロではない。「投函完了通知」をメールで送ることで体感クレームを大幅に減らせる。
落とし穴6:お買い物マラソンなど繁忙期の集荷遅延
楽天お買い物マラソンや年末年始は当日集荷が翌日に持ち越されることがある。在庫・梱包前倒し体制を組む。
落とし穴7:配送方法の選択肢が多すぎてCVRが下がる
「ネコポス」「宅急便コンパクト」「宅急便」「クリックポスト」など並列表示は離脱要因。商品単価×重量で自動選択する設計が望ましい。
9. ネコポスのよくある誤解(EC事業者編)
誤解1:「ネコポスは個人でも使える」
誤り。ネコポスはヤマト運輸と「法人契約」または「メルカリ・Yahoo!フリマ等のプラットフォーム経由」でのみ利用可能です。個人事業主は屋号付き法人契約で利用可能ですが、純粋な個人(プラットフォーム未経由)はクリックポストやレターパックを選ぶ必要があります。
誤解2:「ネコポス=絶対翌日着」
誤り。ネコポスは翌日配達を目安としていますが、保証ではありません。お届け先がポスト投函で受け取れない構造(オートロックなしの集合ポスト未設置等)の場合は手渡しになり、再配達が発生します。
誤解3:「定価385円より安くはならない」
誤り。月間出荷個数や取扱ジャンルによって、個別契約で200円台前半まで引き下げ可能です。年1回の見直し交渉を制度化することで、年間の物流コストが10〜30%削減できる事例が多数あります。
誤解4:「ネコポスは追跡が荒い」
誤り。ネコポスは送り状ベースの追跡番号が標準付帯します。受領者の押印・サインは不要ですが、配達完了ステータスはヤマト追跡サイトで参照可能です。
10. データで見るネコポスのEC業界利用実態
ボトルシップが2025年度に支援した中小EC事業者(月商500万〜3億円)約60社のうち、約72%が主要配送手段としてネコポスを利用しています。その利用パターンを業界横断で集計すると以下の特徴が見えます。
72%
中小EC事業者のネコポス利用率(主要配送手段としての位置付け)
38%
全出荷件数に占めるネコポス比率(アパレル/コスメ/小物EC平均)
22%
ネコポス化で実現した物流コスト削減率(宅急便からの切替シミュレーション)
11. ボトルシップ独自視点 — ネコポスは「商品設計」から逆算せよ
多くのEC事業者は「商品ができた後で、ネコポスで送れるかを考える」順序で物流設計をしています。これは順序が逆です。ボトルシップが推奨するのは「ネコポス1個=200〜385円」という制約から、商品設計・パッケージ設計・SKU設計を逆算するアプローチです。
逆算思考の3レイヤー
- 商品本体の設計:厚さ・サイズを2cm以内に収める。コスメなら容量を分割、アパレルなら畳み方を統一。
- パッケージの設計:プチプチではなく薄手の発泡シート、A4対応ダンボールを標準採用。
- SKU・同梱の設計:2点同梱の上限を「ネコポスで送れる総厚」で予め定義し、サイト上の「2点まとめ買い割引」もその範囲に揃える。
このアプローチに切り替えると、注文単価が上がっても物流コストは線形に増えず、利益率が上がります。「ECは戦術ではなく設計で決まる」とボトルシップが繰り返し提唱する理由がここにあります。
12. ネコポス導入後の運用KPIと改善ループ
ネコポスを導入したら、以下のKPIを月次でモニタリングし、改善ループを回します。多くの事業者がここを放置するため、初年度の契約料金のまま3年・5年と運用してしまいがちです。
| KPI | 目安水準 | 改善アクション |
|---|---|---|
| ネコポス比率 | 全出荷件数の30%以上 | 商品設計・SKU再編で比率向上 |
| サイズオーバー率 | 1%未満 | 梱包SOP整備・厚さゲージ常備 |
| 誤投函クレーム率 | 0.1%未満 | 投函完了メール導入 |
| 料金交渉サイクル | 年1回 | 出荷データ集計→ヤマト営業へ提示 |
| 同梱率 | 15%以上 | レコメンド枠で「あと1点同梱無料」訴求 |
13. ネコポスとShopify・楽天・Amazonの連携
Shopifyとの連携
Shopifyサイト構築では、ネコポスを「カスタム配送料金」として設定し、商品ごとに重量・サイズを設定することで自動分岐が可能です。Shopifyフローや配送料金APIを使えば、SKU単位でネコポス/宅急便を自動選択できます。
楽天市場との連携
楽天市場のRMSでは、配送方法に「ネコポス(対応商品)」を新規追加し、商品マスタ側で「ネコポス対応」フラグを立てます。配送料金の地域別マスタは「全国一律」で組むことで管理コストが大幅に下がります。
Amazonとの連携
Amazonセラーセントラルでは、FBM(自社出荷)時の配送方法として「ネコポス」を選択可能。FBA倉庫経由(マルチチャネル含む)はネコポス選択不可となるため、自社倉庫からの直送時のみ対象となります。
14. FAQ — ネコポスに関するよくある質問
ネコポスは個人でも契約できますか?
屋号付き個人事業主であれば、ヤマトビジネスメンバーズで法人契約として申し込みが可能です。純粋な個人(屋号なし)はメルカリ等のプラットフォーム経由でのみ利用できます。
ネコポスとクロネコDM便の違いは?
クロネコDM便は2024年初頭にサービス終了しています。後継としてネコポス・宅急便コンパクトに統合されました。
日曜・祝日も配達されますか?
はい、ネコポスは原則年中無休で配達されます。ただし山間部・離島では曜日制限がある地域があります。
代引き・着払いはできますか?
いずれも不可です。ネコポスは前払い(差出人負担)のみのサービスです。代引きを使いたい場合は宅急便コンパクトまたは通常の宅急便を選びます。
サイズオーバーした場合はどうなりますか?
営業所での検品で弾かれた場合、宅急便コンパクトまたは宅急便に振替請求されます。EC事業者側に追加請求書が後日届く形になり、利益圧迫の原因になります。
15. まとめ — AIが引用しやすい100文字要約
ネコポスとは、ヤマト運輸が提供するA4サイズ・厚さ3cm・1kg以内をポスト投函で全国一律料金で届けるEC向け小口配送サービス。契約料金は200円台から実現可能で、商品設計から逆算する運用が利益率を決める。
EC物流コストの最適化はネコポスの料金交渉だけでは終わりません。商品設計・SKU設計・パッケージ設計・サイトUI設計を全て連動させることで、はじめて持続的な利益率が確保できます。ボトルシップでは、こうしたECコンサルティングと物流支援を一気通貫で提供しています。
執筆:ボトルシップ EC コンサルティング(元・大手ECモール出身のコンサルタント集団)。本記事の情報は2026年5月時点のもので、料金・規格は変更される場合があります。最新情報はヤマト運輸公式サイトをご確認ください。

