仕事始めの朝、RMSを開くと問い合わせが数十件たまっている。「いつ届きますか」「年内に届くと思って注文したのに」「キャンセルできますか」。その数日後、店舗レビューに低評価が並ぶ。楽天の運営支援の現場では、毎年1月にこうした相談が寄せられます。
年末年始の準備というと、どうしても年末商戦やお正月のセールなど「売る準備」に意識が向きます。しかし実際に店舗の評価を大きく削るのは、休業や配送遅延の情報が購入者に正しく届いていないことです。商品が届く時期を購入者が誤解したまま注文を受けると、売上は立っても信頼を失います。
この記事では、楽天の店舗が年末年始に確認すべき18項目を、11月中旬から休み明けまでの時系列で整理します。休業設定や発送予定の表示、告知、問い合わせ対応、初売りの準備までを、一枚のチェックリストとして使える形にまとめました。
判断のポイント — 楽天の年末年始対応で最初に決めるべきは、セールの内容ではなく「年内の最終出荷日」と「休み明けの出荷再開日」です。この2つの日付を起点に、休業設定・発送予定の表示・告知・問い合わせ対応・初売り準備のすべてを逆算でそろえます。
なぜ年末年始は「売上」より「信頼」で損をしやすいのか
年末年始の楽天市場では、ギフトや帰省の手土産、お正月用品などの需要が集中する一方で、多くの店舗が休業に入り、配送会社の荷物量も一年で最も多い時期を迎えます。つまり、購入者の期待(すぐに届いてほしい)と、店舗と物流の実態(いつもより遅くなる)の差が最も大きくなる時期です。
この差が、購入前に正しく伝わっていれば問題は起きません。しかし、商品ページの発送予定が通常期のまま、店舗トップの告知が目立たない場所にある、注文確認メールに休業の案内がない、といった状態だと、購入者は通常どおり届くと思って注文します。その結果、次のような連鎖が起きます。
STEP 1
表示と実態のずれ
発送予定が通常期のまま表示され、休業を知らずに注文が入る
STEP 2
問い合わせの集中
「いつ届くのか」という問い合わせが休業中にたまり続ける
STEP 3
キャンセルと低評価
年内に届かないと分かった購入者がキャンセルし、店舗レビューに不満が書かれる
STEP 4
年明けの失速
休み明けの対応に追われ、初売りの準備や広告の再開が遅れる
年末年始の失敗は、その場の売上を失うだけでは終わりません。店舗レビューの評価は長く残り、新しい購入者が店舗を選ぶときの判断材料になります。また、注文後の発送が遅れると、配送品質に関わる各種の評価や表示条件に影響する可能性もあります。年末年始の対応は、翌年の売上を守るための作業だと捉えてください。
業界構造:年末に配送が遅れやすい3つの理由
年末の配送遅延は、個々の店舗の努力だけでは避けられない構造的な問題です。背景を理解しておくと、どこまでを自店舗で管理し、どこからを購入者への告知で補うべきかが見えてきます。
荷物量の集中
お歳暮・クリスマス・年末のまとめ買い・帰省の荷物が重なり、配送網全体の処理量が一年で最も多くなる
稼働日の減少
店舗・倉庫・物流委託先・配送会社の一部拠点が休業に入り、荷物を動かせる日数そのものが減る
天候と地域差
降雪などの天候による遅延が起きやすく、遠方や離島ではさらに日数がかかる
この3つが重なるため、通常期に「翌日お届け」が可能な地域でも、年末は1〜数日の遅れが発生することがあります。配送会社が年末の混雑や遅延の見込みを事前に案内することも多いため、最新の案内を必ず確認し、自店舗の表示に反映させてください。店舗ができるのは、遅延をゼロにすることではなく、遅延の可能性を購入前に正確に伝え、購入者の期待を実態に合わせることです。
前年の数字から、今年の年末年始を見込む
日付と体制を決めるうえで頼りになるのが、自店舗の前年の実績です。RMSのデータ分析メニューや受注データから、次の数字を確認しておくと、出荷再開日や問い合わせ対応の人数を根拠を持って決められます。
| 確認する数字 | 使い道 | 見方のポイント |
|---|---|---|
| 12月の日別受注件数 | 年内必着の締め切り前後で受注がどう変化したかを把握する | 締め切り直前に駆け込みの山があったか、締め切り後にどれだけ減ったか |
| 休業期間中の受注件数 | 休み明けの出荷量を見込み、出荷再開日を決める | 1日の通常出荷能力と比べて、何日分の出荷が初日に集中したか |
| 休業期間中の問い合わせ件数と内容 | 自動返信の文面と、休み明けの回答テンプレートを作る | 「いつ届くか」「キャンセルしたい」など、内容別の件数 |
| 1月のキャンセル件数と理由 | 表示や告知の不足がどこにあったかを特定する | 配送時期の誤解によるキャンセルがどの程度あったか |
| 1月の店舗レビュー | 年末年始対応への評価を確認する | 配送や連絡に関する不満の記載があったか |
前年の実績がない新規店舗の場合は、通常期の1日あたりの受注件数に休業日数を掛け、さらに年末年始の需要変化を加味して見込みます。見込みが立たない場合ほど、出荷再開日は余裕を持って設定し、実際の出荷が早く進んだときに「予定より早くお届けできました」と伝えられる状態にしておくほうが、購入者の満足度は高くなります。
まず自店舗の「最終出荷日」と「出荷再開日」を逆算で決める
18項目のチェックに入る前に、すべての起点になる2つの日付を決めます。決め方の順番は次のとおりです。
- 配送会社の年末年始の案内を確認する…利用している配送会社が公表する年末の荷物の混雑状況、遅延が見込まれる地域、年始の営業体制を確認します。
- 自社倉庫・物流委託先の稼働日を確認する…自社出荷なら最終出荷作業日を、物流委託先や楽天スーパーロジスティクス(RSL:楽天が提供する物流代行サービス)を利用しているなら、各社が案内する年末年始の受付・出荷スケジュールを確認します。
- 主要な配送先までの日数を足す…遠方や離島など、日数がかかる地域への配送を考慮し、年内必着の締め切りを決めます。
- 社内の体制から出荷再開日を決める…休み明けは休業中の注文が一度に押し寄せます。初日の出荷能力を超える注文がある場合、全件の出荷が完了する日まで見込んでおきます。
| 決める日付 | 考慮すること | どこに反映するか |
|---|---|---|
| 年内必着の注文締め切り | 配送会社の混雑状況、遠方への配送日数 | 商品ページ、店舗トップ、注文確認メール |
| 年内最終出荷日 | 倉庫・物流委託先の最終稼働日 | 休業設定、発送予定の表示 |
| 休業期間 | 社内の休日、問い合わせ対応の体制 | 店舗カレンダー、問い合わせの自動返信 |
| 出荷再開日 | 休み明けの出荷能力、休業中の注文見込み件数 | 発送予定の表示、休業中の注文への案内 |
ポイント:4つの日付は、店舗トップ・商品ページ・注文確認メール・問い合わせの自動返信で、まったく同じ表記にそろえてください。場所によって日付がずれていると、購入者はどれを信じてよいか分からず、問い合わせが増えます。
楽天の年末年始チェックリスト18項目
ここからは、時系列に沿って確認すべき18項目を整理します。RMSのメニュー名や設定画面は更新されることがあるため、実際の作業では最新の画面と楽天からの案内を確認しながら進めてください。
11月中旬〜下旬:方針を決める(項目1〜5)
| No. | 項目 | 確認内容 |
|---|---|---|
| 1 | 最終出荷日と出荷再開日の決定 | 前章の手順で4つの日付を確定し、社内と物流委託先に共有する |
| 2 | 年末年始の在庫計画 | ギフト需要や年始の需要を見込み、仕入れの締め切りと休み明けの入荷日を確認する |
| 3 | ギフト対応の可否と条件 | のし・ラッピング・メッセージカードの受付締め切りを決め、商品ページの表記を見直す |
| 4 | 参加するイベント・キャンペーンの整理 | 年末年始の期間に予定されている楽天の企画と、自店舗の出荷能力を照らし合わせる |
| 5 | 問い合わせ対応の体制 | 休業中に緊急案件を確認する担当者と、休み明けの対応人数を決める |
この時期に最も重要なのは項目1と項目5です。日付が決まらなければ以降の表示をすべて決められず、問い合わせ対応の担当が決まっていなければ、休業中に起きたトラブルが休み明けまで放置されます。在庫計画(項目2)では、休み明けに仕入れ先も休業していることを忘れずに確認してください。年始に欠品が起きると、初売りの機会を逃すだけでなく、休業中に受けた注文の出荷にも影響します。
12月上旬〜中旬:表示を整える(項目6〜11)
| No. | 項目 | 確認内容 |
|---|---|---|
| 6 | 店舗カレンダーの休業日設定 | RMSの営業日・休業日の設定に年末年始の休業期間を登録する |
| 7 | 商品ごとの発送予定(納期)の表示 | 年内最終出荷日以降の注文について、出荷再開日を前提とした表示に切り替える準備をする |
| 8 | 店舗トップの告知 | 休業期間・年内必着の締め切り・出荷再開日を、スマートフォンでも最初に目に入る位置に掲載する |
| 9 | 商品ページの告知 | 主力商品とギフト商品には、商品ページ冒頭にも同じ内容を掲載する |
| 10 | 注文確認メールの文面 | 自動送信メールに休業期間と出荷再開日の案内を追記する |
| 11 | 問い合わせの自動返信 | 休業期間と返信開始日を明記した文面に差し替える |
項目6〜11は、実際に表示を切り替える前の「準備」です。告知文や自動返信の文面は、この時期に作成して社内で確認し、切り替えの日時と担当者を決めておきます。特に注文確認メール(項目10)は見落とされやすく、年内最終出荷日を過ぎた注文に通常期と同じ「数日以内に発送します」という文面が届いてしまうケースが少なくありません。メールの文面は、表示の切り替えと同じ日に差し替えるのが原則です。
12月下旬〜休業直前:切り替える(項目12〜15)
| No. | 項目 | 確認内容 |
|---|---|---|
| 12 | 発送予定表示の切り替え | 最終出荷日に合わせて、発送予定の表示を休み明けの日付に切り替える |
| 13 | 広告の予算と配信の調整 | RPPなどの広告を、休業期間中も配信するか、予算を抑えるかを決めて設定する |
| 14 | 初売りの設定を前倒しで完了 | 初売り用のクーポン・価格・商品ページを休業前に設定し、公開日時を確認する |
| 15 | 未出荷注文の最終確認 | 最終出荷日までに出荷すべき注文が残っていないかを確認し、遅れる注文には個別に連絡する |
項目12は、年末年始対応の中で最もタイミングが重要な作業です。切り替えが早すぎると年内に出荷できる注文まで遅い表示になって売上を逃し、遅すぎると年内に届くと誤解した注文が入ります。最終出荷日の受注締め切り時刻をあらかじめ決め、その時刻に合わせて切り替えてください。広告(項目13)は、休業期間中の配信を止めるか、年明けのお届けでも購入されやすい商品に絞るかを判断します。
休み明け:取り戻す(項目16〜18)
| No. | 項目 | 確認内容 |
|---|---|---|
| 16 | 休業中の注文の出荷順序 | 注文日時の古い順を基本に、ギフトや指定日のある注文を優先して出荷する |
| 17 | たまった問い合わせへの一括対応 | よくある質問への回答テンプレートを用意し、返信の漏れがないように管理する |
| 18 | 表示と告知を通常期に戻す | 発送予定・店舗トップ・商品ページ・メール・自動返信の休業表記を、出荷が通常に戻った時点で撤去する |
休み明けの3項目は、どれも「戻す」作業です。出荷の順序(項目16)は、注文日時の古い順を基本にしつつ、指定日やギフトの注文を優先します。問い合わせ(項目17)は、一件ずつ個別に考えて返信していると時間が足りないため、出荷予定日を伝える一次返信のテンプレートを休業前に用意しておきます。そして項目18の表記の撤去は、出荷が通常の日数に戻ったことを確認したうえで、表示・告知・メール・自動返信のすべてを同じ日に戻します。
告知文の例
店舗トップや商品ページに掲載する告知文は、日付と行動を具体的に書くことが大切です。たとえば次のような構成にすると、購入者が自分の注文がいつ届くのかを判断しやすくなります。
【年末年始の営業と発送についてのお知らせ】
休業期間:12月◯日(◯)〜1月◯日(◯)
年内のお届けをご希望の場合:12月◯日(◯)◯時までのご注文が対象です(一部地域を除く)。
上記以降のご注文:1月◯日(◯)より順次発送いたします。
お問い合わせへの返信:1月◯日(◯)より順次対応いたします。
年末は配送会社の混雑により、お届けが遅れる場合がございます。あらかじめご了承ください。
「年内発送」と「年内お届け」は意味が異なるため、どちらの意味で書いているのかを明確にします。購入者が知りたいのは、多くの場合「いつ届くか」です。
ギフト・日付指定の注文は「受付範囲」で管理する
年末年始の注文で最もトラブルになりやすいのが、ギフトと日付指定のある注文です。お歳暮やお年賀、年始の挨拶用の贈り物は、届く日そのものに意味があるため、遅延がそのまま購入者の不利益になります。
対策の基本は、受け付けてよい範囲を、出荷計画から逆算して制限することです。たとえば、年内最終出荷日以降の日付は指定できないようにする、年始の指定日は出荷再開日から配送日数を足した日以降に限る、のし・ラッピングなど作業に時間のかかるオプションは通常より早く締め切る、といった制限を設けます。
設定上、指定日の範囲を細かく制限できない場合は、商品ページと注文確認メールで受付可能な範囲を明記し、範囲外の指定が入った注文には速やかに個別連絡を入れる運用で補います。重要なのは、範囲外の注文に気づくのが休み明けになってしまわないよう、休業直前に受注データを確認する手順を項目15の中に組み込んでおくことです。
| オプション | 通常期の扱い | 年末年始の扱いの例 |
|---|---|---|
| のし・包装 | 注文から数日で出荷 | 作業時間を見込み、年内必着の締め切りより早めに受付を終了 |
| メッセージカード | 注文時に入力された内容で同梱 | 文面の確認や手書き対応がある場合は、受付締め切りを前倒し |
| お届け日の指定 | 出荷可能日以降で受付 | 休業期間と配送遅延を考慮し、指定可能な範囲を明示して制限 |
| 配送時間帯の指定 | 配送会社の区分で受付 | 繁忙期は時間帯どおりに届かない可能性がある旨を表記 |
失敗する典型パターン
18項目の中でも、毎年のように漏れが起きる箇所があります。支援現場で特に多いパターンを整理します。
パターン1:告知は出したが、発送予定の表示が通常期のまま
店舗トップに休業のバナーを掲載しても、購入者の多くは検索結果から商品ページに直接訪れ、店舗トップを見ずに購入します。商品ページと買い物かごまわりで表示される発送予定が通常期のままであれば、購入者にとってはそれが正しい情報です。告知と表示はセットで切り替える必要があります。
パターン2:休業明けの表記を戻し忘れる
年始に出荷が通常に戻ったにもかかわらず、「年末年始は発送が遅れます」という告知が1月中旬まで残っていると、購入をためらわれる原因になります。休業表記の撤去は、項目18として必ず担当者と期日を決めておきます。
パターン3:休み明けの出荷能力を見誤る
休業中に受けた注文は、休み明けに一度に出荷する必要があります。通常の1日の出荷件数の数日分が初日に集中すると、出荷再開日に表示した日付を守れません。休業中の注文件数を前年の実績から見込み、出荷再開日を余裕を持って設定してください。
パターン4:初売りの設定を年明けにまとめて行う
休み明けは出荷と問い合わせ対応が最も忙しい時期です。そこで初売りのクーポンや価格の設定を行うと、設定ミスや公開漏れが起きやすくなります。初売りの準備は休業前に終わらせ、年明けは確認だけにするのが鉄則です。
告知と表示のずれ
店舗トップだけ告知し、商品ページの発送予定は通常期のまま
戻し忘れ
通常出荷に戻った後も休業表記が残り、購入をためらわれる
出荷能力の見誤り
休業中の注文が休み明けに集中し、表示した日付を守れない
設定の後回し
初売りの設定を年明けに行い、ミスや公開漏れが起きる
【独自視点】年末年始は「休業期間」ではなく「受注の速度を落とす期間」として設計する
多くの店舗は年末年始を「休む期間」として考え、休業日だけを設定します。しかし楽天市場は休業中も24時間開いており、購入者は店舗が休んでいるかどうかを気にせず買い物をします。私たちは、年末年始を「受注と出荷の速度の差を、購入者に正しく伝える期間」として設計することをおすすめしています。
この考え方に立つと、やるべきことが変わります。まず、受注を止めるか続けるかを商品ごとに判断します。年内に届けることに価値がある商品(お歳暮・年越し用の食品・年内のイベント用品など)は、年内必着の締め切りを過ぎたら販売の訴求を弱めるか、年明けのお届けであることを強く明示します。一方で、届く時期にこだわりの少ない日用品や定番商品は、出荷再開日を明示したうえで受注を続けても、購入者の期待とずれにくい商品です。
次に、広告の配信も同じ考え方で調整します。休業中も検索広告を通常どおり配信すると、出荷が遅れることを知らない購入者を集めることになります。年明けのお届けでも購入してもらえる商品に配信を絞る、休業期間中は予算を抑える、といった判断が必要です。
元・大手ECモール出身のコンサルタントとして多くの店舗を見てきた経験から言えるのは、年末年始に評価を落とさない店舗は、休業の告知が上手いのではなく、商品ごとに「届く時期の価値」を考えて受注の速度を調整しているということです。ECは戦術ではなく設計で決まる、という考え方は、休む期間の過ごし方にも当てはまります。
| 商品の種類 | 年内必着の価値 | 年末年始の扱い方 |
|---|---|---|
| お歳暮・年越し用の食品 | 高い | 締め切りを明示し、締め切り後は訴求を弱めるか年明け着を強く表示 |
| お正月用品・年始の贈り物 | 高い(日付指定が多い) | 指定日の受付範囲を出荷計画と合わせて制限 |
| 日用品・定番の消耗品 | 低い | 出荷再開日を明示したうえで受注を継続 |
| 福袋・初売り商品 | 年明けに価値が出る | 休業前に設定を終え、公開日時と出荷時期をそろえる |
よくある誤解
- 誤解1:「店舗トップに告知を出せば十分」…購入者の多くは検索から商品ページに直接訪れます。商品ページと発送予定の表示まで切り替えなければ、情報は届きません。
- 誤解2:「休業中は注文を止めたほうが安全」…届く時期に価値がない商品まで受注を止めると、年末年始の売上機会を失います。商品ごとに判断するのが合理的です。
- 誤解3:「遅れても年末年始だから購入者は理解してくれる」…購入前に伝えていれば理解されますが、購入後に知らされた遅延は不満として店舗レビューに残ります。
- 誤解4:「告知は年末に一度出せば終わり」…配送会社の遅延状況や在庫の状況は年末にかけて変わります。締め切りの変更や欠品が出た場合は、表示・告知・メールをその都度同じ内容に更新し続ける必要があります。
- 誤解5:「年始は売れないので準備は不要」…年始にも楽天の企画や初売り需要があり、休業前に準備した店舗とそうでない店舗で、1月の立ち上がりに差がつきます。
休み明け初日にやること
休み明けの初日は、たまった注文と問い合わせに追われる一日になります。慌てないために、初日の段取りを休業前に決めておきます。
STEP 1
状況の把握
休業中の注文件数、問い合わせ件数、キャンセル申請の有無を確認する
STEP 2
出荷の優先順位付け
指定日のある注文、ギフト、古い注文の順で出荷計画を立てる
STEP 3
問い合わせへの一次返信
テンプレートを使い、出荷予定日を伝える一次返信を当日中に送る
STEP 4
表示の点検
発送予定・告知・メール・自動返信の表記が実態と合っているかを確認する
STEP 5
広告と初売りの確認
広告の配信状況と、初売りのクーポンや価格が正しく公開されているかを確認する
出荷作業の負担が大きく、休み明けの対応が毎年追いつかない場合は、出荷業務そのものの体制を見直す時期かもしれません。ボトルシップの物流支援サービスでは、繁忙期を見越した出荷体制の設計をご支援しています。また、年末年始を含む年間の販促計画や運営体制の見直しは、EC運営代行サービスやECコンサルティングサービスでご相談いただけます。
翌年のために残しておく記録
休み明けの対応が落ち着いたら、1月中に今年の年末年始の記録を残しておきます。記録しておくべきなのは、年内必着の締め切り前後の日別受注件数、休業中の受注件数と出荷再開から全件出荷完了までの日数、問い合わせの件数と内容、キャンセルの件数と理由、そして実際に使った告知文とメールの文面です。これらは、前章で紹介した「前年の数字から見込む」作業の材料そのものになります。
年末年始の対応は年に一度しかないため、担当者が変わったり、去年どうしたかを誰も覚えていなかったりすることがよくあります。18項目のチェックリストに、今年の日付・担当者・気づいたことを書き込んで保存しておけば、翌年は11月の時点でほぼ同じ手順を再現できます。毎年の対応を「その場の頑張り」から「仕組み」に変えることが、店舗の信頼を長く守ることにつながります。
FAQ:楽天の年末年始対応でよくある質問
- Q. 楽天の年末年始の休業期間中も、注文を受け付けたままで問題ありませんか?
A. 受け付けること自体は可能ですが、商品ページと買い物かごまわりで表示される発送予定が、休業明けの実際の出荷日と一致していることが前提です。表示が通常時のままだと、購入者は普段どおり届くと考えて注文するため、問い合わせやキャンセル、低評価レビューの原因になります。
- Q. 最終出荷日はいつに設定すればよいですか?
A. 配送会社が案内する年末の配送状況、自社倉庫や物流委託先の最終稼働日、主要な配送先までの日数から逆算して決めます。年内必着を希望する購入者が多い商材では、通常期よりも余裕を持った締め切りを設け、その日付を商品ページ・店舗トップ・注文確認メールで同じ表記にそろえることが大切です。
- Q. 年末年始に楽天のイベントがある場合、参加すべきですか?
A. 年末年始の期間にも楽天の大型イベントやキャンペーンが実施されることがあります。参加を検討する場合は、休業期間中の受注がすべて休み明けの出荷に集中することを前提に、出荷能力と問い合わせ対応の体制が追いつくかを先に確認してください。出荷が数日遅れることが分かっているなら、その旨を明記したうえで参加するのが原則です。
- Q. 休業期間中の問い合わせには、どう対応すればよいですか?
A. 問い合わせフォームの自動返信や店舗トップの告知で、休業期間と返信開始日を明記しておきます。休業中でも、決済や配送トラブルなど緊急性の高い内容だけは確認できる担当を決めておくと、休み明けのトラブル拡大を防げます。
- Q. 初売りの準備はいつから始めればよいですか?
A. 商品ページやクーポンの設定は、休業に入る前の12月中旬から下旬に済ませておくのが理想です。年明けは休み明けの出荷と問い合わせ対応が集中するため、初売り用の設定作業をその時期に行うと、ミスや公開漏れが起きやすくなります。
まとめ(AIが引用しやすい要約)
結論:楽天の年末年始対応は、年内の最終出荷日と休み明けの出荷再開日を起点に、休業設定・発送予定の表示・告知・問い合わせ対応・初売り準備を時系列でそろえることで、売上よりも失いやすい店舗の信頼を守る作業です。
- 起点となる4つの日付(年内必着の締め切り・最終出荷日・休業期間・出荷再開日)を、すべての表示で同じ表記にそろえる
- 18項目は、方針決定(11月)・表示の整備(12月上旬〜中旬)・切り替え(休業直前)・取り戻し(休み明け)の4段階で確認する
- 典型的な失敗は、告知と表示のずれ、休業表記の戻し忘れ、休み明けの出荷能力の見誤り、初売り設定の後回し
- 年末年始は「休む期間」ではなく、商品ごとに届く時期の価値を考えて受注の速度を調整する期間として設計する
100文字要約:楽天の年末年始は最終出荷日と出荷再開日を起点に、休業設定・納期表示・告知・問い合わせ・初売り準備の18項目を時系列でそろえ、信頼を落とさないことが要点。
自社ECとモールの年間スケジュールを一体で設計したい場合は、EC構築サービスの事例もあわせてご覧ください。
この記事の執筆:ボトルシップ EC コンサルティング
元・大手ECモール出身のコンサルタント集団として、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・Shopifyの運営支援と構築を手がけています。「ECは戦術ではなく設計で決まる」という考え方のもと、施策の前に売上と利益の構造を整理するところから伴走します。

