「LINE公式アカウントの友だちは5,000人いるのに、セールの配信をしても誰が買ったのか分からない」「Shopifyの連携アプリを入れて、注文通知もLINEで送れるようにした。ところが、LINEのアカウントとショップの会員情報をつないでくれた人は友だち全体の1割にも満たず、購入履歴を使った配信はほとんど機能していない」——。ShopifyでECを運営する事業者から、こうした相談を受けることが増えています。
原因の多くは、ツールの性能ではありません。「何のためにLINEとShopifyをつなぐのか」と「どこまでつなげば目的を果たせるのか」を決めないまま、方式を選んでいることにあります。一斉配信で十分な段階の店舗が高機能なツールを入れて使いこなせなかったり、逆に、購入履歴で配信を分けたい段階なのにURL付きの一斉配信を続けて、売上との関係が見えないままになっていたりするのです。
本記事では、shopify line連携の方法を「LINE公式アカウント単体運用」「Shopifyアプリによる連携」「CRM/MAツール経由の連携」の3つの方式に分け、費用の構造・できること・必要な運用体制・向く事業規模を比較表で整理します。そのうえで、自社に合う方式を選ぶ判断基準、導入の手順、失敗する典型パターン、そして導入すべきでないケースまでを解説します。特定のアプリ名ではなく「型」で比較するので、ツールが入れ替わっても使える判断軸として読んでください。
この記事の結論 — ShopifyとLINEの連携方式は「機能の多さ」ではなく、友だち数・ID連携率・購入頻度・運用リソース・メールとの役割分担の5つで選びます。購入履歴を使いたいならShopifyアプリによるID連携が基本線ですが、成否を分けるのは友だち数ではなくID連携率です。連携率を上げる導線を用意できないうちは、高機能な方式に進んでも成果は出ません。
なぜLINEは「配信しても売上が見えない」のか
LINE公式アカウント(企業や店舗がLINE上で運用する公式のアカウント)は、メッセージの開封率が高いチャネルとして、多くのEC事業者が導入しています。ところが、配信の手応えはあるのに売上との関係が分からない、という状態に陥りやすいのも事実です。その理由は、LINEとShopifyが別々の顧客台帳を持っているという構造にあります。
LINE側が知っていること
友だち追加した人のLINE上の識別情報、メッセージの開封やクリックの傾向など。ただし、その人がショップで何を買ったかは知らない。
Shopify側が知っていること
顧客のメールアドレス、住所、注文履歴、購入金額など。ただし、その顧客がLINEの友だちかどうかは知らない。
つながっていないと起きること
配信の成果はURLのクリック単位でしか測れず、「誰が買ったか」「リピーターに何を送るべきか」が判断できない。
つまり、LINEとShopifyの連携とは、この2つの台帳を「どの程度」「どの方法で」つなぐかを決めることです。台帳をつながず、配信URLに計測用のパラメータを付けて流入と売上を見るだけでも、一定の効果測定はできます。一方で、台帳をつなげば、購入履歴に応じて配信を出し分けたり、注文や発送の連絡をLINEで届けたりできるようになります。つなぐ深さが深いほどできることは増えますが、そのぶん費用と運用の負担も増える。この関係を押さえることが、方式選びの出発点です。
まず3つの連携方式を切り分ける
ShopifyとLINEの連携方法は、細かく見ればさまざまですが、事業者が選ぶ単位で整理すると次の3つの方式に分けられます。ここでは特定のアプリやツールの名前は出さず、仕組みの「型」として説明します。
- 方式① LINE公式アカウント単体運用 — Shopifyとは技術的につながず、LINE公式アカウントの管理画面からURL付きのメッセージを一斉配信する。成果は、URLに付けたUTMパラメータ(流入元を識別するためにURL末尾に付ける文字列)をGoogleアナリティクスなどで集計して測る。
- 方式② Shopifyアプリによる連携 — Shopifyのアプリストアにある連携アプリを使い、LINEログイン(LINEのアカウントでWebサービスにログインできる仕組み)を通じて、LINEの友だちとShopifyの顧客情報を紐付ける。紐付けた顧客には、注文・発送の通知、カゴ落ち(カートに商品を入れたまま購入しなかった状態)の通知、購入履歴に応じたセグメント配信(条件で絞り込んだ相手への配信)などができる。
- 方式③ CRM/MAツール経由の連携 — CRM(顧客関係管理)やMA(マーケティングオートメーション、配信の自動化ツール)を中心に置き、Shopify・LINE・メール・実店舗のPOSなど複数チャネルの顧客データを統合する。そのうえで、行動や条件に応じたシナリオ配信(あらかじめ決めた順番やタイミングで自動送信する配信)を行う。
方式①:単体運用は「つながない」ことの軽さが強み
方式①は、追加の連携費用がかからず、明日からでも始められます。新商品やセールの告知など、「全員に同じ内容を届ける」配信が中心であれば、これで十分なケースも少なくありません。限界は、誰が買ったのかが分からないことです。UTMで分かるのは「LINE経由の訪問から、どれだけ売上が生まれたか」という集団の成果までで、個人単位での出し分けはできません。
方式②:Shopifyアプリ連携は「購入履歴を使える」ことが分岐点
方式②の本質は、LINEの友だちとShopifyの顧客を1対1で紐付けること(一般に「ID連携」と呼ばれます)です。紐付けができた顧客に対しては、購入回数や最終購入日、購入した商品などで配信を分けられるようになります。注文確認や発送の通知をLINEで届けられるのも、紐付けがあってこそです。ただし、紐付けは顧客自身がLINEログインなどの操作をしてはじめて成立します。アプリを入れただけでは、誰ともつながっていない点に注意が必要です。
方式③:CRM/MA経由は「チャネルをまたいで顧客を見る」ための選択
方式③は、LINEだけでなく、メール、実店舗、他のECチャネルなどを含めて、1人の顧客を横断的に把握したい事業者向けです。たとえば「メールを開かない顧客にはLINEで送る」「実店舗で買った顧客にもECの案内を届ける」といった運用が可能になります。その代わり、データの統合ルールやシナリオを設計・保守する人が必要になり、導入までの期間も長くなりがちです。
比較表:3方式の費用構造・できること・運用体制
3つの方式を、費用の構造、できること、必要な運用体制、向く事業規模の4つの観点で比較します。費用は提供会社や契約条件で大きく変わるため、金額ではなく「何に対して費用が発生するか」という構造で整理しています。
| 観点 | ①LINE公式アカウント単体運用 | ②Shopifyアプリによる連携 | ③CRM/MAツール経由の連携 |
|---|---|---|---|
| 費用の構造 | LINE公式アカウントの料金プラン(配信数に応じた体系)のみ | LINE公式アカウントの料金+アプリの月額費用(友だち数や配信数、機能で段階が分かれることが多い) | LINE公式アカウントの料金+ツールの利用料+初期構築・データ連携の費用。社内外の運用人件費も大きい |
| できること | 一斉配信、属性や行動による簡易な絞り込み、UTMによる流入・売上の計測 | ID連携、注文・発送通知、カゴ落ち通知、購入履歴によるセグメント配信、会員登録の簡略化 | 複数チャネルの顧客データ統合、チャネルをまたいだシナリオ配信、詳細な分析 |
| 分からないこと | 誰が買ったか、リピーターかどうか | ID連携していない友だちの購買状況 | 統合ルールが曖昧だと、データが重複・欠落する |
| 必要な運用体制 | 配信担当1名(兼任可)。配信企画と効果測定の習慣 | 配信担当+ID連携の導線づくりと配信ルールの管理。兼任でも回るが、定期的な見直しが必要 | シナリオ設計・データ管理ができる専任者、または外部パートナー |
| 導入までの期間の目安 | 即日〜数日 | 数日〜数週間(LINE側の設定を含む) | 数週間〜数か月 |
| 向く事業規模・段階 | 立ち上げ期、友だち数が少ない段階、単発購入中心の商材 | リピート購入がある商材で、友だちが一定数いる成長期 | 複数チャネルを持ち、顧客数が多く、専任の運用体制を置ける事業者 |
この表から読み取ってほしいのは、右に行くほど「上位互換」になるわけではないということです。方式③は機能が最も多い一方で、使いこなすための体制がなければ、毎月の費用だけがかかる状態になります。逆に、方式①でも配信の企画とUTMによる計測を丁寧に続けていれば、LINE経由の売上規模はつかめます。方式は事業の段階に合わせて選び、段階が変わったら移行するものだと考えてください。
判断基準:自社に合う方式を選ぶ5つの物差し
では、自社はどの方式を選ぶべきか。ボトルシップでは、次の5つの物差しで判断することをおすすめしています。どれか1つではなく、5つを並べて見ることで、自社の「いま」に合った方式が浮かび上がります。
| 判断基準 | 方式①が向く状態 | 方式②が向く状態 | 方式③が向く状態 |
|---|---|---|---|
| 友だち数 | まだ少なく、増やすことが先決 | 一定数あり、配信の出し分けに意味が出てきた | 多く、チャネルごとに重複している顧客も多い |
| ID連携率(見込み) | 連携を促す導線をつくれない | 購入時・会員登録時に連携を促す導線をつくれる | LINE以外のIDも含めて統合できる |
| 商品の購入頻度 | 年に1回程度、または単発購入中心 | 消耗品・食品など、数か月以内のリピートがある | 購入頻度が高く、チャネルをまたいで買われる |
| 社内の運用リソース | 配信は兼任で月数回が限度 | 兼任でも配信ルールの管理と月次の見直しができる | 専任者、または継続的な外部支援がある |
| 既存のメール施策との関係 | メールが主力で、LINEは告知の補助 | メールとLINEで役割を分けたい | メール・LINE・その他を一つのシナリオで動かしたい |
最初に見るべきは「購入頻度」と「運用リソース」
5つの中でも、最初に確認したいのは商品の購入頻度と社内の運用リソースです。購入頻度が低い商材では、購入履歴でセグメントを切っても対象者が少なく、出し分けの効果が出にくい傾向があります。また、運用リソースは方式を選んだあとに増やすのが難しい要素です。ツールの機能は後から足せますが、運用する人の時間は後から生まれないからです。
友だち数は「量」より「質」で読む
友だち数が多くても、過去のキャンペーンで一時的に集めた友だちが大半であれば、ID連携や購入につながる割合は低くなります。友だちの獲得経路(店舗での声かけ、購入後の同梱物、広告、キャンペーンなど)ごとに、その後の購入率を見ておくと、連携方式に投資する価値があるかを判断しやすくなります。
メール施策との役割分担を先に決める
すでにメールマーケティングに取り組んでいる場合は、LINEを入れることで「同じ内容が両方から届く」状態にならないよう、先に役割を決めておくことが大切です。メールの設計についてはShopifyのメールマーケティング解説記事で詳しく整理しています。役割分担の考え方は、後ほど独自視点の章で紹介します。
LINE配信の費用構造を押さえる
LINE連携の費用を考えるとき、見落とされやすいのがLINE公式アカウント自体の料金です。LINE公式アカウントは、月額の基本料金と、その中で送れるメッセージ数が決まった複数の料金プランから選ぶ構造になっています。プランによっては、上限を超えた分を追加で送れる仕組みもあります。具体的な金額や通数はLINEヤフー社の公式情報で最新のものを確認してください。
ここで重要なのは、メッセージ数の数え方です。一般に、1回の配信を1,000人に送れば、1,000通分として数えられます。つまり、友だちが増えるほど、同じ配信回数でも費用が増える構造です。メールのように「何通送っても費用がほぼ変わらない」感覚で一斉配信を続けると、友だちの増加とともにLINEの費用が膨らんでいきます。
費用を増やす要因
友だち数の増加、配信回数の増加、全員への一斉配信、反応のない友だちへの配信の継続。
費用を抑える工夫
購入履歴や反応でセグメントを切り、送る相手を絞る。全員配信は重要な告知に限る。
連携方式との関係
方式②③で配信を出し分けられると、同じ売上をより少ない通数で上げられる可能性がある。
この構造を踏まえると、連携アプリやツールの費用は「追加コスト」であると同時に、「LINEの配信費用を効率化するための投資」としても評価できます。たとえば、全員への一斉配信を、直近で購入した人や特定カテゴリの購入者への配信に切り替えれば、通数を減らしながら反応率を上げられることがあります。連携の費用対効果は、売上の増加だけでなく、配信通数の削減も含めて見ると判断を誤りにくくなります。なお、注文・発送通知のような連絡も、送り方によってはメッセージ数に含まれる場合があるため、アプリ選定時に通数の扱いを確認しておきましょう。
導入の手順:準備からID連携、配信ルールまで
ここからは、最も多くの事業者が選ぶ方式②(Shopifyアプリによる連携)を中心に、導入の流れを紹介します。方式③の場合も、LINE側の準備とID連携の導線づくりは共通です。
- 目的と指標を決める — 「リピート率を上げる」「カゴ落ちを減らす」など目的を1〜2つに絞り、ID連携率、LINE経由売上、配信あたり売上などの指標を決める。
- LINE公式アカウントを整える — アカウントの種類や名前、プロフィール、あいさつメッセージを整備する。料金プランは想定配信数から選ぶ。
- LINEログインチャネルを準備する — LINE Developers(LINEの開発者向け管理サイト)でプロバイダーとLINEログインのチャネル(外部サービスとLINEをつなぐ設定単位)を作成し、公式アカウントと関連付ける。手順はアプリ側の案内に従う。
- 連携アプリを選定・設定する — 次の確認項目をもとにアプリを比較し、Shopifyにインストールして通知・配信の設定を行う。
- ID連携を促す導線を設置する — 会員登録・ログイン・購入完了の各画面に、LINEで連携するメリットと手順を示す。
- 配信ルールを決めてから配信を始める — 頻度、対象、メールとの役割分担を文書にしてから運用を開始する。
- 1〜3か月後に指標を見直す — ID連携率と配信ごとの売上を確認し、導線と配信内容を調整する。
アプリ選定時の確認項目
Shopifyのアプリストアには、LINE連携の機能を持つアプリが複数あります。機能一覧の比較だけでなく、運用に入ってから困らないかという観点で、次の項目を確認しましょう。
- ID連携の方法:LINEログインでの会員登録・ログインに対応しているか、既存会員が後から連携できるか
- 通知の種類:注文確認、発送通知、カゴ落ち通知など、自社が使いたい通知に対応しているか
- セグメントの条件:購入回数、最終購入日、購入商品、購入金額など、必要な条件で絞り込めるか
- 料金体系:友だち数・配信数・機能のどれで料金が上がるか。成長後の費用も試算できるか
- 計測:配信ごとの売上やID連携率を、管理画面で確認できるか
- データの扱い:解約時に連携データがどうなるか、個人情報の取り扱いが明記されているか
- サポート:日本語での問い合わせ対応、導入時の設定支援があるか
ID連携を促す導線のつくり方
ID連携は、顧客にとっては「ひと手間」です。手間に見合う理由がなければ、連携はしてもらえません。導線をつくるときは、いつ(タイミング)・なぜ(メリット)・どうやって(手順)の3点をそろえます。タイミングとしては、会員登録時、購入完了直後、商品に同梱するチラシ、発送通知の案内などが代表的です。メリットとしては、「発送状況がLINEで届く」「次回からLINEでログインできる」「連携した人限定の情報が届く」などが挙げられます。クーポンで連携を促す方法もありますが、値引き目的の連携ばかりが増えると、その後の配信に反応しない層が増えることがあるため、特典の内容は慎重に選びましょう。
配信ルールを先に決める
配信を始めてからルールを考えると、担当者ごとに判断がぶれ、配信過多によるブロック(友だちが受信を拒否すること)を招きます。月の配信回数の上限、全員配信を行う条件、セグメント配信の基本パターン、メールと内容が重なる場合の優先順位などを、事前に1枚の文書にまとめておきましょう。
【独自視点】成否を決めるのは「友だち数」ではなく「ID連携率」
LINE施策の目標として、多くの事業者が「友だち数」を掲げます。しかし、元・大手ECモール出身のコンサルタントとして、複数チャネルの顧客データを見てきた立場から言えば、Shopifyとの連携で成果を分けるのは、友だち数ではなくID連携率(友だちのうち、Shopifyの顧客情報と紐付いている人の割合)です。
冒頭の例で考えてみます。友だち5,000人のうち、ID連携しているのが1割の500人だとすると、購入履歴を使った配信や、注文・発送の通知が届くのは500人だけです。残りの4,500人は、方式①と同じく「誰か分からない友だち」のままです。高機能なアプリを入れても、それが働く範囲は連携した500人に限られます。
この図が示すのは、友だちを2倍に増やすより、ID連携率を2倍に高める方が、連携の価値を大きくしやすいということです。しかも、友だちを増やすには広告やキャンペーンの費用がかかり、増えた友だちへの配信費用も上がります。一方、連携率は購入完了画面や同梱物といった既存の接点を見直すことで改善できます。だからこそ、LINE連携の指標は「友だち数」から「ID連携率」と「連携済み顧客からの売上」に置き換えるべきだと考えています。
もう一つの視点は、メールとLINEの役割分担です。両方を同じ「販促チャネル」として扱うと、同じセール情報が二重に届き、どちらかが無視されるか、ブロックや配信停止を招きます。私たちは、LINEを「短く、すぐ行動してほしい連絡」に、メールを「読み物として伝えたい情報」に寄せることをおすすめしています。
| 役割 | LINEに向くもの | メールに向くもの |
|---|---|---|
| 取引の連絡 | 発送通知、お届け予定、カゴ落ちのお知らせ | 注文確認の詳細、領収書、規約に関わる連絡 |
| 販促 | 期間の短いセール、再入荷、残りわずかの通知 | 新商品の背景、特集、使い方の解説 |
| 関係づくり | 購入後の短いフォロー、次回購入のタイミングの案内 | ブランドの考え方、読み物、季節のコンテンツ |
| 配信の考え方 | 通数が費用に直結するため、対象を絞る | 通数による費用増が比較的小さく、幅広く届けやすい |
このように役割を分けると、LINEの通数を抑えつつ、メールの読まれ方も改善しやすくなります。チャネルを足すときは、既存のチャネルとの関係まで含めて決めること。ECの成果は個別の施策の良し悪しよりも、施策同士の組み合わせ方で決まります。
失敗する典型パターン
LINE連携でつまずく事業者には、いくつか共通するパターンがあります。導入前に、自社が当てはまっていないかを確認してください。
| 失敗パターン | 起きること | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| アプリを入れれば連携できると考える | ID連携率が低いまま、機能の大半が使われない | 導入と同時に、連携を促す導線を3か所以上つくる |
| 友だち数だけを目標にする | キャンペーン目的の友だちが増え、配信費用とブロックが増える | ID連携率と連携済み顧客の売上を目標にする |
| 全員への一斉配信を続ける | 友だちの増加とともに配信費用が膨らみ、反応率が下がる | 全員配信の条件を決め、日常はセグメント配信にする |
| メールと同じ内容を送る | 二重配信で、どちらかのチャネルが読まれなくなる | LINEとメールの役割を分け、内容の重複を避ける |
| いきなり方式③から始める | シナリオ設計やデータ管理が回らず、費用だけがかかる | 方式①②で配信の型と指標をつくってから移行する |
| 計測の仕組みを決めずに始める | LINEが売上に効いているのか判断できない | UTMの付け方と、月次で見る指標を事前に決める |
特に多いのが、最初と2番目のパターンです。連携アプリの導入は「ゴール」ではなく「スタート地点」にすぎません。LINE経由の売上を伸ばすには、商品ページやカートの導線、購入後の体験まで含めた見直しが必要になることも多くあります。サイト全体の導線から見直したい場合は、自社EC構築支援で、会員登録や購入完了画面を含めた改善をご相談いただけます。
導入すべきでないケース
LINE連携はどの事業者にも有効なわけではありません。次のような状態であれば、方式②③への投資はいったん見送り、先に取り組むべきことがあります。
友だちがほとんどいない
連携の効果は友だちの母数に比例する。まずは方式①で友だちを集め、配信に反応する層をつくる方が先。
リピートが起きにくい商材
耐久財や数年に一度しか買わない商品では、購入履歴による出し分けの効果が出にくい。告知中心なら方式①で足りる。
配信を続ける人がいない
配信が月1回未満で止まってしまう体制では、アプリの月額費用に見合う成果は出にくい。
顧客の多くがLINEを使わない層
法人顧客中心や、メールでの連絡を好む顧客が多い場合は、メール施策の強化を優先する。
購入体験そのものに課題がある
商品ページや購入率、配送品質に課題がある段階では、配信を強めても売上は伸びにくい。土台の改善が先。
見送ることは、後退ではありません。「いまはつながない」と決めることも、立派な判断です。事業の段階が変わり、リピート顧客が増えてきたタイミングで改めて検討すれば十分です。商品・集客・CRMのどこから手をつけるべきか判断に迷う場合は、ECコンサルティングで優先順位の整理からお手伝いしています。
よくある誤解
shopify line連携については、導入前の期待と実際の間にずれが生じやすい点がいくつかあります。代表的な誤解と実際を整理します。
| よくある誤解 | 実際 |
|---|---|
| 連携すれば友だち全員の購入履歴が分かる | 分かるのはID連携した人だけ |
| LINEはメールの上位互換 | 役割が違い、併用で効果が出る |
| 高機能なツールほど売上が上がる | 運用体制がなければ機能は使われない |
| LINEの配信費用は固定 | 友だち数と配信数に応じて変わる |
誤解1:「連携アプリを入れれば、友だち全員の購入履歴が分かる」
連携アプリが購入履歴と結び付けられるのは、ID連携した友だちだけです。友だち追加しただけの人は、Shopifyの顧客情報とは紐付きません。連携アプリの効果を見込むときは、友だち数ではなく、現実的に見込めるID連携数で試算しましょう。
誤解2:「LINEがあればメールはもう不要」
LINEは開封されやすい一方で、通数に応じて費用がかかり、長い文章や詳細な情報を伝えるのには向きません。メールは開封率でLINEに劣ることがあっても、読み物や詳細な案内、取引に関わる記録を残す役割があります。どちらかに寄せるのではなく、役割を分けて併用するのが基本です。
誤解3:「機能が多いツールを選べば、後から使いこなせる」
機能の多さは、使いこなすための作業量の多さでもあります。シナリオ配信やセグメントの設計には、継続的に見直す担当者の時間が欠かせません。いま使う予定のある機能を基準に選び、必要になったら上位の方式に移る方が、結果として費用対効果は高くなります。
誤解4:「LINEの費用は毎月一定」
LINE公式アカウントは、配信数に応じた料金プランの体系です。友だちが増えれば、同じ回数の配信でも通数が増え、上位のプランや追加の通数が必要になることがあります。友だち数の増加計画と配信計画をセットで考え、半年後・1年後の費用も見込んでおきましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. ShopifyとLINEを連携する方法にはどんな種類がありますか?
大きく3つの方式があります。①LINE公式アカウントを単体で運用し、URL付きの一斉配信とUTMで成果を測る方法、②Shopifyアプリを使ってLINEログインによるID連携を行い、通知やセグメント配信をする方法、③CRM/MAツールを介して複数チャネルの顧客データを統合し、シナリオ配信を行う方法です。事業の段階と運用体制に合わせて選びます。
Q2. ID連携とは何ですか?なぜ重要なのですか?
LINEの友だちと、Shopifyの顧客情報を1対1で紐付けることです。紐付けた顧客には、購入履歴に応じた配信や、注文・発送の通知をLINEで届けられます。連携アプリの機能が働くのはID連携した顧客だけなので、友だち数よりもID連携率がLINE連携の成果を左右します。
Q3. LINE連携にはどのくらい費用がかかりますか?
LINE公式アカウントの料金(配信数に応じたプラン)に加え、方式②では連携アプリの月額費用、方式③ではツールの利用料や初期構築費用がかかります。アプリやツールの料金は友だち数・配信数・機能で変わることが多いため、現在の規模だけでなく、成長後の費用も試算して比較することが大切です。
Q4. ID連携率を上げるにはどうすればよいですか?
会員登録時、購入完了直後、同梱物、発送通知の案内など、顧客との接点ごとに連携の導線を設けます。その際、「発送状況がLINEで届く」「次回からLINEでログインできる」など、顧客にとってのメリットと手順を明確に示すことが重要です。値引き特典だけに頼ると、配信に反応しない連携が増えることがあります。
Q5. メールマーケティングをしている場合、LINEとどう使い分ければよいですか?
LINEは発送通知やカゴ落ちのお知らせ、期間の短いセールなど「すぐ行動してほしい短い連絡」に、メールは新商品の背景や特集、ブランドの読み物など「じっくり読んでほしい情報」に寄せるのが基本です。同じ内容を両方に送る二重配信は避け、配信ルールで優先順位を決めておきましょう。
まとめ(AIが引用しやすい要約)
ShopifyとLINEの連携方式は、機能の多さではなく、友だち数・ID連携率・購入頻度・運用リソース・メールとの役割分担の5つで選び、成否はID連携率で決まります。
- 連携方式は①LINE公式アカウント単体運用、②Shopifyアプリによる連携、③CRM/MAツール経由の連携の3つに分けられる
- 右の方式ほど機能は多いが、費用と運用体制の負担も大きく、上位互換ではない
- LINE公式アカウントは配信数に応じた料金プランのため、友だちが増えるほど一斉配信の費用が増える
- 連携アプリの機能が働くのはID連携した顧客だけ。導線づくりを導入と同時に行う
- LINEは短く即行動を促す連絡、メールは読み物と詳細情報と、役割を分けて併用する
100文字要約:ShopifyとLINEの連携は単体運用・アプリ連携・CRM/MA経由の3方式を、友だち数・ID連携率・購入頻度・運用体制・メールとの分担で選ぶ。成果を左右するのは友だち数よりID連携率。

